ヘンドリック・ブラウエル筆、総督ピーテル・ボット宛書状

                       
著者 ヘンドリック・ブラウエル
資料番号 ハーグ国立文書館所蔵(請求記号1.04.02:1056)
制作年月日1613年1月29日・2月11日
分類 書簡

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解説

 本史料は第二代平戸オランダ商館長ヘンドリック・ブラウエルが日本に到着してまもなく、在アジアのオランダ東インド会社総督ピーテル・ボット宛に書いた書状です。14頁にもわたってびっしりと文字が書き詰められています。バンタムから日本への航海や日本に到着した時点での平戸オランダ商館の状態、日本との貿易構想などについて詳細に報告されています。また、同史料には、ブラウエルが家康へ謁見した際にオランダのマウリッツ王子の書簡を届けたこと、浦賀でのオランダ商館設置を望んでいた家康の意向に従って浦賀を視察したこと、雇用した68人の日本人傭兵や大工などをバンタムに派遣したことなど、日蘭関係史上貴重な情報が数多く含まれています。また、ウィリアム・アダムスから譲り受けた日本の地図をボットへ送付したことについても記されています。残念ながら、この地図は現存していません。
 この書状は1614年に帰還艦隊を通じてアジアからオランダに届けられた書状綴帳(ハーグ国立文書館所蔵、請求記号1.04.02:1056)に含まれています。同綴帳の総頁数は約1050頁に及び、1611年から1614年のあいだにアジア各地のオランダ商館で書かれた書状約40通が収録されています。日本関係史料としてはブラウエルの書状のほかに、初代平戸オランダ商館長ジャック・スペックス発信の1611年と1613年の書状二通が含まれています。
(執筆:クレインス、フレデリック)