日本大王国志

日本大王国志の表題紙 日本大王国志の背表紙
出版年 1671
著者 カロン
出版地 ロンドン
言語 英語
イギリス
分類 オランダ商館

日文研データベースでこの図書の本文を見る

解説

 長期に渡って日本に滞在し、日本文化に精通していたカロンは、日本に関する詳細な報告書を執筆し、1636年にオランダ東インド会社総督に提出しました。カロンの同僚ハーゲナールがこの報告書の写本をオランダに持ち帰り、自らの補記を付けて『東インド会社の起源と発展』(1645~46年刊)に掲載しました。このハーゲナールの注記付の報告書はその後に抜粋され、『日本大王国志』の題で1648年にアムステルダムで単著として出版されました。ハーゲナールによる補記に不満を抱いていたカロンは、その補記を削除した形で1661年に改めて出版しています。本書は、1661年版を基にロジャー・マンリーが英訳し、1663年にロンドンで出版されたものです。14年間のオランダ滞在の経験を有して居た翻訳者のマンリーは、カロンの著作には、日本とシャムについての重要な情報が多く含まれていることに着目し、英訳本の刊行を思いつきました。 

 同書は、館長代理時代、バタヴィア商務総監のフィリップ・ルカースゾーンによる、以下の31の質問に回答する形で執筆されています。1.日本国の大きさ、日本は島国か、2.如何に多くの州を含むか、3.日本における最上支配者の特質と権力、4.将軍の住居・地位・行列、5.兵士の数と武器、6.幕閣およびその権力、7. 大名とその勢力、8.大名の収入とその源泉、9.処刑の方法、10.何が重罪に相当するか、11.住民の信じる宗教、12.寺院、13.僧侶、14.宗派、15.キリシタンの迫害、16. 家屋・建具、17.来客の接待、18.結婚生活、19.子供の教育、20.遺言が無い場合の相続、21.日本人は信用できるか、22.貿易および貿易従事者、23.内地商業および外国航海、24.商業の利益、25.外国との交際、26.日本の物産、27.貨幣および度量衡、28.鳥獣類、29.鉱泉、30.将軍への謁見、31.言語・写字・計算方法・子孫に歴史を公開するか。

(執筆:フレデリック・クレインス)

もっと詳しく見る