激動の時代を駆け抜けたキリシタン女性たち     ③知られざる女性殉教者

展示品<3>

前に戻る次に進む


ピエール・フランソワ・ザビエル・シャルルヴォア『日本史』パリ、1736年刊
Pierre-François-Xavier Charlevoix. Histoire et description generale du Japon. 9 vols. Paris, 1736.

フランスのイエズス会士ピエール・フランソワ・ザビエル・シャルルヴォア(1682-1761)によって書かれた、全9巻から成る本書は、『日本史』という題目が付けられてはいるものの、クラセ『日本教会史』と同様に、主に日本におけるキリスト教布教史を扱っている。その中で、細川ガラシャや竹田アグネス、林田マグダレーナをはじめとして、日本の女性殉教者についても各所で詳細な記述が見られる。同書は、教化目的で版を重ね、フランスのカトリック界を中心に日本観の形成に多大な影響を与えた。展示用に開かれているページは、細川ガラシャの最期について記述されている箇所であり、その内容は、展示品7のクラセ『日本教会史』とほぼ同一のものである。

(執筆:フレデリック・クレインス)