激動の時代を駆け抜けたキリシタン女性たち     ①細川ガラシャ  

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ルイス・フロイス  『日本におけるキリスト教の現状』マインツ、1598年刊
Luís Fróis. Nova relatio historica de statu rei christianae in Japonia. Moguntia, 1598.
 

本書は、日本におけるキリスト教布教活動や日本の政治状況について、イエズス会士ルイス・フロイス(1532-1597)が1595年にローマのイエズス会総長宛に書き送った書簡が、ドイツのマインツで刊行されたものである。当該書簡はもともとポルトガル語で書かれていたが、同書にはそのラテン語版が掲載されている。この他に、ドイツ語版やイタリア語版も出ており、当時のヨーロッパで広く読まれていた。この書簡には、細川ガラシャ(Domina Gratia)について、夫・細川忠興の知らないうちに密かに息子2人に洗礼を授けた上、夫に対しても福音を説いているが、忠興は豊臣秀吉を恐れてキリスト教への改宗を躊躇していると書かれている。

(執筆:フレデリック・クレインス)