激動の時代を駆け抜けたキリシタン女性たち     ①細川ガラシャ  

展示品<7>

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ジャン・クラセ 『日本教会史』 パリ、1691年刊
Crasset, Jean. Histoire de l’eglise du Japon. 2 vols. Paris, 1691
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フランスのイエズス会士で神学者のジャン・クラセ(1618-1692)が1691年にパリで刊行した『日本教会史』は、イエズス会士の著述をもとに、日本におけるキリスト教布教史を中心的なテーマに記述したものであり、第2冊に「タンゴの女王」(細川ガラシャ)の最期と共に死後のキリスト教の葬儀について、5頁にわたる詳細な記述を掲載している。ガラシャについては、「奇跡的な」美しさに恵まれていた女王であるとした上で、貧乏な子供を屋敷に入れて世話し、ラテン語とポルトガル語を独学で学んだとも記すなど、その優美な徳を称賛している。

(執筆:フレデリック・クレインス)