激動の時代を駆け抜けたキリシタン女性たち     ①細川ガラシャ  

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フェルナン・ゲレイロ『イエズス会1600-1601年アジア・日本報告集』バリャドリッド、1604年刊 Fernan Guerrero. Relacion anual de las cosas que han hecho los padres de la Compañia de Iesus en la India Oriental y Japon en los años de 600. y 601. Valladolid, 1604.

細川ガラシャが壮絶な死を遂げた後、屋敷から脱出した侍女達はすぐに大坂に潜伏していたイエズス会士オルガンティーノのところに赴き、ガラシャの最期の様子について伝えた。その情報はヨーロッパに伝わり、ポルトガル人イエズス会士フェルナン・ゲレイロ(1567-1617)がポルトガル語で書かれた『イエズス会1600-1601年アジア・日本報告集』にその報告を収録している。本書は1604年に刊行された同書のスペイン語版である。それによると、細川ガラシャは侍女達を外へ逃がした後、跪いてイエズスとマリアの聖名を唱え、次に両手で首を露わにし、家臣に首を切り落とさせ、その後、家臣達は屋敷に火薬を撒き散らし、火をつけて全員切腹したという。

(執筆:フレデリック・クレインス)