欧文史料に見る大阪の陣

展示品<12>

2. モンターヌス『東インド会社遣日使節紀行』オランダ語版、1669年刊
Arnoldus Montanus: Gedenkwaerdige gesantschappen der Oost-Indische maetschappy in’t vereenigde Nederland, aen de kaisaren van Japan. Amsterdam, 1669.

オランダ商館員による複数の江戸参府日記を編纂したオランダの作家モンターヌスの著作『東インド会社遣日使節紀行』には、大坂城図が所収されている。モンターヌスは1649~1650年に江戸参府した商館員フリシウスの日記から、大坂城についての極めて詳細な記述を掲載している。

フリシウス達が城壁の上に立って下を見た時に、目がくらむほどの高さであったとも書かれており、モンターヌスは大坂城を八番目の不思議と称している。また、これほどの質実剛健な城を築いた理由として、秀頼を君主の座に就かせるために、秀吉が努力を惜しまず、無敵な城の築城を目指したことを挙げている。