展示品<2>
【第一部】 オランダ人の見聞した大坂の陣
大坂の陣に関連する記述があるオランダ人の書簡は、現在のところ10通ほど見つかっている。発信者は、堺、大坂、京都、室津(現兵庫県たつの市)に滞在していた数人のオランダ人で、大坂の陣前後に、彼らが各地で見聞したことを伝えている。
発信者の一人、ファン・サントフォールトは、1600年に日本に漂着したオランダ船・リーフデ号の元乗組員で、以来、堺に在住し、商業を営んでおり、堺と大坂の商人と親交があったので、その経路を通じて情報を入手していたと推測される。
また、その他の発信者であるワウテルセンとテン・ブルッケはオランダ東インド会社の商館員で、当時すでに数年間の日本滞在経験があった。彼らは取引先の商人の家に宿泊していたので、同じく日本の商人から情報を得ていたのだろう。特にワウテルセンは日本語が堪能であったようである。