展示品<6>
4. エルベルト・ワウテルセンより平戸オランダ商館長宛書簡、大坂、1615年5月1日付〔慶長20年4月4日〕ハーグ国立文書館所蔵(NFJ 276, fos. 14v-15v)
〔和訳〕
《前略》また、我々の代理人クロベエ殿がしばらくの間、当地堺で家を借りているため、私もその家に滞在している。というのも、現在大坂に住むことができない。なぜなら、〔そこは〕都市というよりも荒れ地のように見えるからである。というのも、全焼していない家屋はその街路に面した部分が壊され、また、現在、川の埋め立てのために、家屋の修理ができない。《後略》
〔解説〕
本書簡では、冬の陣直後の大坂の町の荒れた状況について記されている。また、大坂城の堀の埋め立ておよび大坂を流れる川の付け替え作業のために、破壊された一般市民の家屋の修理が後回しにされ、なおかつ街路に面している部分が壊されていたことが分かる。