欧文史料に見る大阪の陣

展示品<17>

7. シャルルヴォア『日本史』フランス語版、1736年刊
Pierre-Francois-Xavier de Charlevoix: Histoire et description g enerale du Japon. Paris, 1736.

イエズス会士シャルルヴォアは同書において、当時大坂にいた複数のイエズス会士の書簡を基に大坂の陣について多くの紙面を割いて解説している。その中で、家康が秀頼を排除する陰謀を企て、方広寺鐘銘事件を口実にいいかがりをつけて、大坂を攻囲する経緯が詳細に記述されている。

シャルルヴォアによると、家康の攻囲が失敗に終わったため、和議が結ばれ、秀頼がそれを遵守したのに対して、家康は従わず、新たな攻撃を準備するための時間稼ぎに利用しただけであるという。また、夏の陣において、秀頼は真田幸村と共に最前線で戦ったが、大坂城に残っていた武将達が家康と内通して城に火を付けたため、秀頼は余儀なく退却せざるを得ず、大坂から脱出し、外国へ逃げ去ったと記している。